1.5 HEAT20について

 「HEAT20」 とは、「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」(2009年発足、委員長:坂本雄三、国立研究開発法人建築研究所理事長)の英語表記(Investigation committee of Hyper Enhanced Insulation and Advanced Technique for 2020 houses) の略語であり、呼称である。
 研究者、住宅・建材生産者団体に関わる人で構成されており、住宅における更なる省エネルギー化を図るために、断熱などの建築的対応技術に着目し、住宅の熱的シェルターの高性能化と居住者の健康維持と快適性向上のための先進的技術開発、評価手法、そして断熱化された住宅の普及啓蒙を目的としている。
 HEAT20では、断熱性能と同時に、設計設備について検討していくことを重視しており、高断熱住宅の利点を、省エネルギーで光熱費などのコストが抑えられるEB(エナジー・ベネフィット)と、コストの削減だけではなく、温熱環境がよく快適な住み心地も付加されたNEB(ノン・エナジー・ベネフィット)の二つに分類している。さらに断熱性能の基準をグレードG1・G2にすることで、より高い外皮性能を推奨している。図1.7は地域区分ごとの基準を示している。G2はG1よりも更に高性能なレベルである。
 同委員会のホームページhttp://www.heat20.jp/ から、過去の研修会の資料がダウンロード可能である。

図1.7 地域区分ごとの基準(2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会提供)
図1.7 地域区分ごとの基準(2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会提供)